ごあいさつ 

 

秋田ひきこもりラボのホームページにようこそ。 

 

   みなさまご案内の通り、近年では「8050問題」として知られる日本の高齢化社会が抱える深刻な課題が、ますます注目を浴びており、その一環としてひきこもり問題にもこれまで以上に高い関心が寄せられています。 

 しかしながら、ひきこもりの定義は極めて曖昧で、一口にひきこもりと言っても、それが誰を指すのか必ずしも明確ではありません。そのため、支援の現場をはじめとして地域社会や家族、そしてご本人自身が、ひきこもりの課題をどのように解決すべきか分からずに悩んでおられます。 

  一般的には、ひきこもりの人々に対して偏見が存在し、何かしらの障害を抱えているか、根性がない怠け者であるか、親の子育てが原因だとか考えられることがありますが、私はこれに同意しません。ひきこもりの現実を理解し、身近な存在として受け入れることが大切です。
  実際、私が関わったひきこもり当事者には、医療従事者、教育従事者、名門大学の学生・大学院生、行政福祉に従事した公務員、国際的スポーツ選手など、多様な背景を持つ人々がいます。
  内閣府の調査によれば、3分の1以上が主婦・主夫であり、ひきこもり者は本質的には弱者ではなく、「タイミングが合えば」誰でもひきこもりになる可能性があります。同様に、「タイミングが合えば」人はひきこもりの状況から抜け出すことも可能です。
  ひきこもりの状態にある人たちは、適切なタイミングで前進できるのです。そして、ひきこもりの経験を生かして他者の心の悩みに寄り添うピアスタッフや、受験生を支援する教師、児童精神科医志望の医師、責任あるCEO、子育てに奮闘する主婦などになることは、単なる夢ではなく実現可能な現実です。したがって、ひきこもりについては多様な視点から考えることが重要です。 

 

   ひきこもりの問題は決して恥ずかしいことではなく、また県民の皆さんとは関係のない問題ではありません。ぜひ私たちと共にひきこもりを経験した方々や、支援の最前線で奮闘している皆様の貴重な経験を通じて、お互いに学び合い、理解を深めながら共に解決策を模索する場として、「秋田ひきこもりラボ」を発展させていきたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。  



理事長  ヨン・キム・フォン・ロザリン

                                                     Yong Kim Fong Roseline 

理事長略歴


秋田大学大学院医学系研究科 衛生学・公衆衛生学講座 助教 

公衆衛生学修士(香港大学)、精神保健学博士 (東京大学) 

 

マレーシア生まれ
マレーシアプテラ大学環境科学微生物学卒業(2000年)
香港大学公衆衛生学講座公衆衛生学修士修了(2009年)
東京大学大学院医学系研究科精神保健学博士修了(2013年) 

 

(主な活動実績) 
2013年  大仙市でひきこもり若者自立支援任意団体・光希屋
             「ふらっと」設立 

2015年  特定非営利活動法人光希屋(家)設立、理事長就任
2016年  秋田大学大学院医学系研究科公衆衛生学講座助教就任

2017年  大仙市子供・若者総合支援センター「ふらっと」
              運営 

2019年  NPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会居場所づく
              り検討委員会委員就任
              NPO法人蜘蛛の糸若年層自殺予防顧問就任 

2022年  秋田県都市計画審議会委員就任 

2023年  秋田県由利本荘市「いじめ問題対策委員会」委員
              就任